
賃貸業を営む方にとって空き室を作る事は絶対に避けたい事のひとつ。 学生向けのアパートであれば入学シーズンまでに成約しなければ1年間空き部屋になってしまいます。 新築で最新鋭の設備でもあれば入居は見込めますが、築20年となると競争でも不利になりがちです。
今、空き家率が3割を超えて困っているという所からこのお話は始まりました。 以下の3つの施策を行う事により結果予約率が230%を達成しました。
- 物件ホームページ制作
- 利用者目線のチラシの作成
- 入試時の大家さんによるちらし配布
不動産会社がネットに弱い
お付き合いしている小さな不動産会社がネットに弱くネット方面の告知力が無いのが大きな足かせになっていました。ネットを活用できていないのは今の時代致命的です。 特に遠方から引っ越して来る学生はネットの情報が頼りなのに発信力が無いのは相当不利です。かろうじてアットホームに情報が掲載されている程度。 物件検索サイトに掲載されたところで多くの学生向けアパート情報の中に埋もれていまい魅力もなかなか見えません。
利用者目線が足りない不動産業界の問題
不動産業界は必要の無い古い慣例が習慣がたくさん残っています。 大型のタワーマンションなどはマーケティングにも力を入れていますが、地方の小さなアパートなどにそのノウハウは生かせておらず、 不動産会社には古くからの慣例にしたがい間取り図と基本情報だけの図面が用意されている程度。 はじめて引っ越しをするであろう学生が間取り図みただけで部屋を決められるとは思えません。 利用者がどんな気持ちで部屋を探しているかに気付いていないのです。

- どんな広さの部屋なのか?
- ベッド置いたらどうなんだろう?
- はじめての一人暮らしで自炊するかもしれないキッチンは?
- お風呂には実家のようにゆっくりとつかれるのか?
- 防犯対策ってどうなのか? ネットは使えるのか?
- 友達呼べるようなおうちなのか?
期待と不安がたくさんのはずですが、用意される図面資料の貴重なスペースに唯一掲載されてる写真(モノクロ)は建物の外観だったりします。 お城みたいな特殊なデザインとかでも無い限り利用者は外観なんか正直どうでも良いのに、不動産系の資料はなぜか外観を売りにします。 不動産会社の担当者が思い出しやすいとかがあるのかもしれませんけど利用者にはどうでも良い話。 契約問題にしても入試時に仮契約を結んだ学生の受験番号を控えていて、合格した学生は必ず入居の約束をさせるなど「昭和の悪徳不動産かよ」と思えるような残念な囲い込み手法をしている不動産会社もあるそうです。学生アパートはリピーターがいないのでこういった小ずるい手法がまだ横行しているのかもしれませんがご自身の身内がそれやられてもどうも思わないのでしょうか? ごく一部なのかもしれませんが聞くだけでも気分が悪くなるお話です。
物件には魅力がある
今回お手伝いしたアパートは築20年という年数が経ちつつも部屋は綺麗に保たれて設備も充実しています。 昨年入居者用が無料に使えるWi-Fiを用意しましたが今年は夏までに各戸に回線を引く予定だったり(賃料に含まれる)、モニター付きのインターフォンで防犯率を高めたりと物件には魅力があります。
大家さんが建物の一階に居住しているのではじめて一人暮らしをする学生の親御さんも安心して送りだせるという所もメリットです。
物件自体はしっかりしていて、どこかの何とかパレスみたいに利益のために安い部品を使ったり経費を削減しすぎるような事はせず、入居者が快適に暮らせる前提で作られています。誠実さは本当に大切です。
個人的に賃貸情報の間取り図とか見るのが好きなのですが、利用者の利便性などを考慮せずとにかく安い部品を使って体裁整えてる物件も少なく世の中には少なくありません。目先の投資をケチれば長い目で見ると結果損すると個人的には思います。

予約率233%にした施策は3つ
前にも述べたように不動産会社から提供される情報の多くは物件の数値的な基本情報と間取りや外観写真(たまに内部の写真)。 僕のように10回以上引っ越ししていれば間取り図や基本情報から読み取れる情報は多くなりますが、はじめて間取り図を見る方にはそのような情報はわかりづらくお部屋を比べるという事はなかなか出来ません。 古いか新しいかも築年数でしか判断出来ず、新築だったり家賃が飛び抜けて安くなければ他の物件は選んでもらえません。 利用者は実際にアパートを内見して比べる機会もほとんど無いので事前情報がとても大切なので写真の掲載されている不動産検索サイトは重要です。 物件オーナーからの目線でみれば物件情報を不動産検索サイトに掲載しても多くの物件情報にうもれてしまうので、見てもらうには広告費用をかける必要があります。
物件ホームページの制作
以前ウェブ制作会社のディレクター時代に沢山の都内のタワーマンションなどの大型物件のホームページを制作していました。 大手不動産会社が扱う大型物件は予算の額も大きくホームページにもそれなりの予算を確保しています。
予算があるのできめ細やかな広告施策や広告展開も可能です。
それに対して小規模の物件はなかなか費用的にホームページを作れないのが現実です。しかし見方を変えれば どこもやってなければ作るだけでかなり優位になります。
多額の予算をかける必要は無いのでシンプルなホームページを制作しました。
構成は以下の通りです。

ホームページを作りはしたけれど検索されてもどこにも表示されないのは作った意味が薄れます。 「大学名 アパート」の検索結果では最高10位。他の不動産系検索サイトが多額の予算を投じている事を考慮すれば良い成果が出たのではないかと思います。
ホームページで動画を効果的に使う
ホームページ作りで大事にしたのは動画です。ホームページでの動画活用はよつばデザインとして今力を入れている事のひとつです。
入居前に現地で見られるかどうかわからない物件を、なるべく行った気分になれるような紹介動画を作りました。
SNSの普及で動画を見ていられる時間は非常に短くなっています。
なるべく簡潔に飽きさせないよう最低限のシーンを利用して作成しています。
動画でわかりやすくするは大きな理由でもありますが、もうひとつ狙いがあります。Googleの検索結果にも動画が単体で掲載されるという事を狙っています。
YouTubeの動画は検索結果にも表示されますし、YouTube内の検索結果にも表示されます。
YouTube内で物件を探す人はまだ少数かもしれませんが、いずれはそうなる可能性が高いので利用する価値はあると思っています。
あとこれは認識してなかったのですが動画のサムネイルは画像検索としての結果にも出るようです。YouTubeで動画公開するメリット大きすぎです。

実はもう少しホームページ内で施策を加えるのが可能なのですが、工数がかかってしまうので将来苦戦した時に追加投入を予定しています。
利用者目線のチラシの作成
利用者にとって知りたい情報は「自分が住む部屋はどんな風に住めるかな?」です。 特に学生というはじめて一人暮らしをするような方にとっては部屋の雰囲気や特徴が知りたいと思うので、実際に内見に来た時に説明するような事や気になるであろうポイントを吹き出しで解説するようなチラシを作成しました。 不動産会社が印刷会社に依頼して作るような間取り図面とあまり変わらないチラシとは別の雰囲気を出しました。 年代が若くなればなるほど雰囲気で判断する傾向が強いので、今風のトレンド感も少し加味しています。 物件ホームページのQRコードを掲載して動画も見てもらえるような導線も加えています。 ちらしの印刷は印刷会社にはお願いせずあえて手作り感も感じさせるようカラーコピー印刷を採用しています。

入試時の大家さんによるチラシ配布
大家さんが同じ建物内に同居している事も売りポイントではあるのですが(嫌な人もいるかもですが)、入試時に大家さんが大学でチラシを配布しました。不動産会社が大学の案内資料に印刷会社で作った間取り図面に近いちらしを配布しているのですが、今回別途つくったチラシを手渡しで配布。 住みやすいお部屋でさらに設備投資も予定している事をチラシを手渡ししながら説明しその日に内見できるようにした所、入居予約が入りました。 リアルなコミュニケーションは強い。

既存のやり方を疑い戦略を立てる事が結果に繋がる
時代は大きく変わっています。10年前に効いた手法でも今そのやり方がベストとは限りません。 生活が変われば広告の受け取り方もお客さんの気持ちの動き方も変わります。
今までのやり方に固執し思考する事を停止していたらいつか取り残される日が来ます。 近年はいろいろ便利なサービスがあり、オーナーさんご自身で手作りのチラシを作ったりホームページを作ったりする事も可能かもしれません。
広告の専門家を活用していただければさらに成約率が上がる事は知っておいて欲しいと思います。
ご自身で作ろうとした場合でもどんな戦略を立てるかが非常に大切です。 単体での施策をするのではなく、ホームページやちらしそして実際の行動など立体的な戦略を立てて実践するのが結果につながりやすいと考えます。
作業コストを抑えたい方や既にいつもお願いしている制作者さんがいる方には戦略部分のみのお手伝いもやっていますのでお気軽にご相談ください。
今回良い結果が出て成功しましたが同様の依頼で必ずしも結果を出す約束は出来ません。 専門家として手伝うのはあくまでも成約の確率をあげる事であって成果を保証するものでもありませんのでご了承ください。